…[ 包む ]………
限られた予算の中、空間の演出を最低限構築させる為には
周りにある自立できるものや既にあるものを使っていかに
構成さえ得るかということだ。
例えば壁や床や家具や道具など。
ただ用途や考えの違うものがバラバラでは機能面や装飾面
でばらつきが出てくるので、統一感を出す必要がある。
そこで考えられるのが、同一素材を使ってあらゆる構成要
素を覆っていくという作業。
通常小売されている安価な紙は、既成のサイズで決まっている。
大きな面を作り出すには小さなサイズの紙を貼り合わせて行く必要があるし
小さな面を覆っていくには、希望のサイズにカットしていく必要がある。
例えばASKULの『裏写りしにくい上質ペーパーA4サイズ』500枚入り\468で考えてみる。
通常A4サイズは縦297㎜横210㎜で、のりしろ10㎜として500枚全てを貼り合わせていくと
縦5.75m横5.01mの大空間がお目見えする。
これは面積にして28.8㎡。畳約17帖の広さである。
重ねた貼りあわせの部分をどう見るかは別にして、おおよそ17帖の面の仕上を
ニュートラルな状態へ戻すことができるのだ。しかも安価に。
表面の世界観はそこから手を加えればよい。
色をつけたり、絵を描いたり、写真を載せたり・・・
今回の紙の活かし方は『 敷く 』『 巻く 』『 折る 』
種類は巻きダンボール、ボール紙、壁紙を使用した。
作業時間や予算を考えて、紙そのものの質感を活かしたシンプルな状態で終えることになった。
この仕事の真髄は、紙をひたすらカットしていくということである